【新唐人2010年4月25日付ニュース】中国西南部で続く深刻な干ばつ。農作物の成長や飲み水に影響しているほか、深刻な電力不足をも招いています。かつては、「南は洪水、北は干ばつ」と言われましたが、今はその逆です。この原因とは天災?それとも人災?温暖化?それとも過度の資源開発なのでしょうか?
中国国土資源の専門家・王維洛(おう いらく)(ドイツ在住)さんは、フランス国際ラジオ(RFI)の取材に対し、中国の異常気象はチベット高原の生態環境の破壊のほか、過度の開発に原因があるといいます。
経済発展にともなう過度の開発について、王さんはこう分析します。一、中国西部の森林の多くが消え、むき出しになっている。二、原始林が経済林に取って代わられた。三、炭鉱の過度な開発。四、水力発電の開発。
王さんによれば、今年、西南部の干ばつが深刻であるもう一つの原因が、農村で使われる水のけいしです。中国の法律では水を、都市住民用水、工業用水、農業用水の順で優先順位を定めます。農村部の人が使う水は法律にすら定められていないので、農業用水、つまり灌漑用の水を使うしかありません。中国の戸籍制度は、飲用水の面においても農村の人々を差別しているのです。
共産党政府は農民から水料金を徴収しますが、高すぎて農民は払えません。仕方なく、各自が井戸を掘り、地下水を汲みます。その結果、地下水源を著しく破壊しているのです。
報道によると、干ばつが最も深刻な雲南省では、主な流域の水量が3割~4割減少。貴州省では、ダムの貯水量が前年より3割以上減り、発電能力も史上最低を記録しました。
新唐人記者がお送りしました。